かみつきがめ

みんなで学ぶ、みんなで守る生物多様性② ~生物のコンサベーション~


2回目は外来種をテーマに考えたいと思います。

先日登山の帰りに滋賀県の琵琶湖の東側、湖東と呼ばれる地域ですが2号線を走っておりますと北アメリカ原産の「特定外来生物」に指定されている「オオキンケイギク」が延々と何キロにもわたって道路の両側にまるで植えられたように咲いていました。

オオキンケイギク

それはそれは湖岸道路を真っ黄色に染める綺麗な景色は湖東の名所と言わんばかりでした。

まるで自治体や地元の方々が苦労して植えて整備しているような印象でした。

これを綺麗だからといって、自宅に持ち帰り「栽培」したり「保管」したり近所の「空き地に植えたり」「種を蒔いたり」すると「罰則付きの法令」に違反することとなります。

しかしあれだけ綺麗ですと「監視員」がいるわけではなく拡散は防ぎようがないような恐ろしい景色でした。

私達が気づかないうちに侵略している映画のエイリアンのようでした。

これが人の生死に直接すぐに重大な影響を及ぼす動物…例えばワニが繁殖し次々と琵琶湖周辺の住民を襲って食べているといったものであれば、国も自治体も私達も今日明日といわずに行動するのでしょうが、本当は「じわりじわり」と何年何十年に渡って「自然環境を破壊する、目立たない外来生物」についても同様に近いものだと思わざるを得ません。

自治体をはじめ、NPO法人の方々が全国で駆除活動を懸命にされているにも関わらず追いつかないのも否めません。

車から降りてトラクターかなにかで一気に刈り取りたい衝動を覚えました。

しかも呑気に構えているといけません、該当の動植物の内容によっては「外来生物法」や全国の各自治体で「罰則付きの県条例」なども制定されています。

罰則付きだから注意するのではなく「特定外来生物」について正しく対処できるように登山や日常の散歩にでかけたいものです。

私達は登山やマリンスポーツなどのアウトドアスポーツを戸外であらゆる生物の生息する日本古来の自然環境の中で楽しんでいます。

それはハイキングからクライミングまで幅広い「楽しみ方」に共通の環境ですね。

この日本の自然環境に外来生物が特に明治時代以降増えています。

「知らない」のと「知っている」のとは日本の生態系を維持する上で大きな影響があるかもしれません。

私たちは「正しい理解」のもとに日本古来の自然環境を守る義務もあるのかもしれません。

外来生物の日本国内への侵入と定着は年々進んでいて動物から植物、魚、虫に至るまで約2000種といわれています。

アライグマ

かみつきがめ

オオキンケイギク

オオバナミズキンバイ

簡単に環境省自然環境局サイトを参照してご説明すると

  1.  外来種とはもともとその地域にいなかったのに人間の活動によってほかの地域から入ってきた生物のことをいいます。
  2.  渡り鳥や海流にのって移動してくる魚や植物の種などは、自然の力で移動するものなので外来種にはあたりません。
  3. 外来種の中で、地域の自然環境に大きな影響を与え、生物多様性を脅かすおそれのあるものを、特に「侵略的外来種」といいます。
  4. 「外来生物法」は外来種の中で「生態系への影響」「人の生命・身体への影響」「農林水産業への影響」などの問題を引き起こすこれらの海外起源の外来生物を「特定外来生物」として指定し、その飼養・栽培・保管・運搬・輸入といった取り扱いを規制し、その防徐等を行うこととしている法律です。
  5. 「外来生物法」に違反すると・・・ごく一部の抜粋ですが「個人の場合懲役3年以下もしくは300万円以下の罰金 / 法人の場合1億円以下の罰金に該当するもの」や「個人の場合懲役1年以下もしくは100万円以下の罰金 / 法人の場合5千万円以下の罰金に該当するもの」があります。

参照 環境省自然環境局外来生物法
https://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/law.html

以上の5点が外来生物の簡単な入り口ですが、どうすれば良いのかについては三原則が掲げられています。
「外来生物被害予防三原則」というものです。

  1. 「入れない」むやみに外来生物を日本にいれない
  2. 「捨てない」飼育している外来生物を野外に捨てない
  3. 「拡げない」すでにいる外来生物を他地域に拡げない

の3つの原則です。

環境省からは外来生物にかかわる際には、この原則を心にとめて、適切な対応とご理解・ご協力を切にお願いしますとメッセージがあります。

生物多様性にはじまり、外来生物に至るお話はあまりに幅が広範囲で知識としてはなかなか馴染むまで時間がかかりますが身近なものに一つでも取り組んでいきたいものです。

例えば、具体的な処理行動として前述の琵琶湖の「オオキンケイギク」は「花が咲くまでに根をできるだけ残さないように抜き取って下さい」冬でも多年生なので根が残っていると翌年咲いてしまうからとのことです。

処理はきちんと袋詰めして「燃えるゴミ」としてお住まいの地域の一般ゴミとして回収してもらって下さいとされています。

このように対処はその外来生物によって異なりますので、ここをしっかり学びたいところです。

まずはどんなものが「外来生物」なのかを知ることが大切なので下記のサイトを「確認することが第一歩です」ぜひご覧下さい。

国立環境研究所侵入生物データベース
https://www.nies.go.jp/biodiversity/invasive/
環境省特定外来生物一覧
https://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/list/

著者:土居剛

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ピックアップ記事

  1. Fotolia_98747583_Subscription_Monthly_M
    百万人の山と自然 「安全のための知識と技術 公開講座」を群馬で開催致します。…
  2. 0612gazou
    百万人の山と自然 「安全のための知識と技術 公開講座」を福岡で開催致します!映像や資料をまじえて…
  3. 06安全のための知識と技術
    百万人の山と自然 「安全のための知識と技術 公開講座」を名古屋で開催致します!映像や資料をまじえ…
PAGE TOP