雄嶽山頂

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(26)長崎「島の山旅」(下)【共同通信社提供】


白嶽(しらたけ)(長崎・対馬市=518メートル)

◎国境の島の象徴  神秘的雰囲気味わう

対馬は九州から130キロ余り、お隣韓国から約50キロに位置する国境の島だ。

白い石英斑岩の、この双耳峰は、はるかに海からも望まれ、その山容から信仰の対象として、対馬の象徴と言える。

対馬へは、福岡、長崎、釜山からの船便と、福岡、長崎空港からの空路がある。

対馬の魅力は、海、山と島々の自然美とともに、大陸との交流の中継点としての古い文化遺産にある。

食も海鮮を中心に美味だ。

白嶽の一般登山コースは山麓の洲藻(すも)からがよい。

対馬・白嶽ルート

路線バスでも行けるが、乗り換えの便が悪く、考えものだ。

島ではレンタカーがポピュラーなので、借りるかタクシーが時間節約に便利。

対馬空港や厳原(いずはら)港から車で約30分。

白嶽神社を左に見て、立派なトイレがある白嶽登山者用駐車場へ至る。

登山者用駐車場付近から望む白嶽

車でさらに15分で登山口に達する。

登山口にはきれいな滝があり、社もある。

登山口には仏像とマリア像が並んでいた

ここより谷沿いに傾斜の緩い植林帯を約30分登ると植物説明看板があり、前嶽からの尾根が張り出し、大岩が累々とする照葉樹林帯に入る。

急傾斜をひと登りすると、白嶽神社の鳥居があり、上見坂方面への登山道を分ける。

登山道は一気に傾斜を増し、祓戸神社を越え、シイの木や樫の木に張り巡らせたロープを頼りに、浮石に気をつけて登ると山頂下の広場だ。

石灯籠やこま犬がある。また、ここから右に行くと岩のテラスに出る。

さらに巨岩の間の岩場をロープ伝いに50メートル程登ると、雄嶽(おだけ)と雌嶽(めだけ)の間のコルに達する。

コルを越し反対側に5メートルほど下り、左へ上がる。

高度感のある稜線(りょうせん)に出て、さらに岩場を数メートルよじると518メートルの雄嶽山頂だ。

雄嶽山頂からの雌嶽。はるかにリアス式の海岸線を望む

子ども連れや岩場に慣れない人は慎重に通過しよう。

山頂は畳10畳程度の広さだが、晴れていれば360度の大展望が得られる。

風が強いときが多いので、帽子や持ち物を飛ばされないよう注意しよう。

下山は、頂上直下の岩場と白嶽神社の鳥居までの浮石に注意すれば特に難しいことはない。

眺めてよし、登ってもよし、神秘的な雰囲気が味わえる魅力的な山だ。

(日本山岳ガイド協会理事長 磯野剛太

 

【ガイドの目】

◎岩場は慎重に

対馬には他にも登りやすい山があるが、白嶽こそ秀麗第一に挙げられる。

登山口までマイカー、レンタカーやタクシーを利用すれば、半日登山である。

しかし山容は急峻(きゅうしゅん)で特に、岩場の部分は慎重に行動しよう。
上見坂方面からの登山道は、現在、入り口が倒木等で分かりづらいようだ。

花は3月のヤマザクラ、4月のツツジ、5~6月にヒトツバタゴやヤマボウシ、夏のキスゲ、秋のキク科と豊かだ。
ツシマヤマネコの表示は、道路上でよく見るが、まず遭えない。日帰り温泉は2カ所ある。

山の帰りにちょうど良い。

▽参考タイム

登山口(40分)白嶽神社鳥居(40分)白嶽山頂(1時間10分)登山口

提供:共同通信社

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