山頂から望む琵琶湖

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(29)滋賀【共同通信社提供】


賤ヶ岳(しずがたけ)(滋賀・長浜市=421メートル)

◎琵琶湖など一幅の水墨画  秀吉、勝家の合戦場

琵琶湖の北、奥琵琶湖と呼ばれる地域にある。

JR北陸線の木ノ本駅付近から西方向に見える穏やかな山並みで、織田信長亡き後、羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)と柴田勝家が雌雄を決した「賤ケ岳の合戦」の地だ。

周辺には合戦の戦跡が数多くある。今回はいくつかあるアプローチの中で比較的楽に登れ、達成感も味わうことができ、それでいて歴史や自然、そして展望も堪能できる欲張りコースを紹介する。

滋賀・賤ケ岳ルート

JR余呉駅で下車し、江土集落の登山口を目指す。

民家の間を抜けて登山道へ。往時をしのびながら広い道を登ると、まず岩崎山の高山右近の砦(とりで)跡へ。

この辺りから緩やかな登りで、大岩山の中川清秀の砦跡、秀吉が陣を敷いたという猿が馬場などへと続く。

木立の間から余呉湖を眺めたり、杉の木に巻きつけられたテープを見て「ツキノワグマが樹皮をはぐクマハギの防止に効果があるのか」との疑問をもってみたり。

山頂に近づくと、勾配が少し急になってくる。

この頑張りどころを過ぎると、ほどなく山頂広場である。

展望は北に余呉湖や湖北の山々、西には琵琶湖、南は山本山へと続く縦走路、東には木之本町。

山頂から望む琵琶湖。中央右に竹生島。かなたに比良山系の山々

それぞれが一幅の水墨画のようで本当に美しい。広い山頂には戦跡碑、武将像、砦の案内表示、3等三角点がある。

確認してみるのも面白い。

賤ケ岳山頂

トイレやあずまや、自販機もあるが、ゴミは必ず持ち帰ること。

山頂から少し下ると、木之本町方面へのリフト(営業日、時間は要確認)を利用し、下山することもできる。

今回は別コースを取って、余呉湖の湖畔に立つ国民宿舎余呉湖荘(休館中)へ向けて下山する。

階段状の下りなのでゆっくりと膝のバネをきかせるように歩こう。

飯浦(はんのうら)切通しからはなだらかになり、余呉湖荘登山口に出てくる。

余呉湖は周囲約7キロ、駅までの舗装路は東西どちらから回っても良いが、湖北部にある天女伝説の衣掛柳は是非見ておきたい。

この先から、登った賤ケ岳を望むことで、さらに山への思いが深まるだろう。

衣掛柳から余呉湖を挟んで望む賤ケ岳(中央奥)

(関西山岳ガイド協会 荒木研一)

 

【ガイドの目】

◎夏は涼風に元気もらう

湖北に位置するため冬は雪が深いが、他のシーズンは快適に歩ける。

春は桜、秋には紅葉が楽しめる。

夏は水分をこまめに取り、熱中症に注意。

ただ、木立の間から涼風に元気をもらえる。

歩き始める前には、登山口近くの余呉湖観光館に立ち寄ると、情報収集ができる。

山中は水場が無い。トイレは駅、観光館、山頂のいずれかを利用するとよい。

近くには北国街道「木之本の街並み」をはじめ見どころが多い。

 

▽参考タイム

余呉駅(1時間)猿が馬場(1時間)賤ケ岳(40分)余呉湖荘(50分)余呉駅

提供:共同通信社

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