札幌郊外の中山峠から望む札幌岳

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(30)北海道【共同通信社提供】


札幌岳(さっぽろだけ)(北海道・札幌市=1293メートル)

◎札幌、羊蹄山の遠望  下山して定山渓温泉も

札幌岳は、札幌市街地を流れる豊平川の源流にある。

札幌の語源は、アイヌ語の「サッ・ポロ・ペッ(乾く、大きい、川)」(幕末の探検家、松浦武四郎説)で、豊平川の扇状地にあたり、夏に乾いた河原ができるので、こう呼ばれていたらしい。

登山コースは、豊滝と冷水沢の2ルートあり、ここでは一般的な冷水沢コースを紹介しよう。

冷水沢コース

登山口は豊平峡(ほうへいきょう)ダム手前の冷水トンネル入り口前にある。

バス利用の場合、じょうてつバス「豊平峡温泉」行きで終点下車、登山口まで約1キロ歩く。

車利用の方が利便性が良い。

登山口には20台ほど駐車できる。

登り始めてすぐカラマツの植林地を越える。

この辺りは、1954年の洞爺丸台風で大きな被害があったところで、台風高原と呼ばれている。

植林地は日陰で涼しい。

沢沿いの道は木漏れ日が気持ち良く、この辺りを歩くだけでも爽快になる。

林床には、エゾノレイジンソウが咲いている。

山麓に咲くエゾノレイジンソウ

林道を横断後、沢沿いの道を2~3度飛び石伝いに小川を渡り、やがて冷水小屋に着く。

小屋の前には冷たい沢水が流れていて、ひとときの清涼感を味わえる。

小屋は管理人のいる土日に、有料で利用できる。

ここからは標高差240メートルの急登の尾根に取り付く。

登り切るとなだらかな頂上台地に出る。

ダケカンバやチシマザサに覆われ、小1時間ほど歩くと突然、視界が開け、頂上に達する。

1等三角点のある頂上は展望が良く、札幌市内や支笏湖方面、後方羊蹄山(しりべしやま)(羊蹄山(ようていざん)=1898メートル)などが望める。

南東方向には空沼岳(そらぬまだけ)(1251メートル)も望め、ブッシュの多い縦走路がある。

頂上には、ゴゼンタチバナやウコンウツギ、コケモモなどが咲いている。

札幌岳山頂から空沼岳方向を望む

下山は往路を戻る。

バス停近くに日帰り温泉の豊平峡温泉があり、本格的なインド料理も食べられる。

登山口手前の定山渓温泉もお勧め。

ここは江戸時代の僧、美泉定山が開湯した歴史のある温泉街である。

登山口近くの定山渓わいわいふぁーむでは、サクランボやリンゴ狩りを楽しむことができる。

(北海道山岳ガイド協会 辻野健治)

 

【ガイドの目】

◎ヒグマ対策に鈴を着けよう

登山道は明瞭で、沢を渡る所も丸太や石がある。

冷水小屋からの急登では道がえぐれており、滑りやすく注意が必要。

登山口や山中にトイレはない。

事前に済ませるか、携帯トイレの使用をお願いしたい。

冷水小屋の前の沢水は、浄化していないため、飲用には向かない。

頂上台地には6月中旬まで残雪がある。

視界不良時には、道を見失うこともあるので、気を付けてほしい。

ヒグマの生息地に入る。遭遇を避けるため、鈴などで音を出し、人間の所在を知らせるのがよい。

 

▽参考タイム

登山口(1時間30分)冷水小屋(1時間20分)山頂(1時間10分)冷水小屋(1時間20分)登山口

 

提供:共同通信社

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