地蔵のオベリスク

ドンドコ沢から鳳凰三山を縦走〜キノコと紅葉の山旅〜


鳳凰三山は南アルプスでも割と入門的な山域ですが、青木鉱泉を起点に周回するコースはけっこう登りごたえがある、中級者向けのコースです。

鳳凰三山といえば、夜叉神峠から行くコースがよく知られているが青木鉱泉からドンドコ沢を登り、ぐるりと周回するコースも変化に富んでいて面白い。

青木鉱泉は山間の温泉宿の雰囲気がいっぱいの建物だ。

ここからしばらくはドンドコ沢に沿った樹林帯の登りになる。

なぜドンドコ沢なんだろうと思うが南アルプスには他にもヤレヤレ峠とかユニークな名前がある。

時折樹々の間から滝が傍観出来る。

沢は花崗岩の砂に覆われているので白く美しい。

所々傾斜のきついところもあり、特に滝を見に展望台へ行くならば登山道から外れてしまうので滑落などには充分注意したい。

傾斜がゆるんでくると、鳳凰小屋は近い。

実は予約の電話を入れた際に小屋の方から「キノコが出ていたら取ってきなよ」と言われて、登る道すがら手当たり次第にキノコを集めてきた。

小屋に着いて小屋番の方に「キノコ採ってきたんですけど」と渡したら、すぐさま食べられるキノコを選別してくれてバターで炒めてくれた。

採ってきた半分ぐらいは食べられないものだったが、これには大感激。

冷たいビールの美味しさが更に増した。

小屋は昔風の建物で、燃料はとても貴重のようでお湯は売っていなかった。

水は豊富で洗い物もやっていたが、見るからに冷たそうだった。

以前ここで働いたことがある人と知り合いになって小屋のことを聞いたら小屋開けの頃はさらに冷たく、手が真っ赤になるそうだ。

素朴でいい小屋で一夜を明かし、翌日は地蔵岳を目指す。

ダケカンバの疎林のザレ場を一登り。

所々南アルプスの特産種タカネビランジが健気にというか、ザレ場にへばりつくように咲き残っていた。

地蔵のオベリスクはかのウェストンが初登頂したということだ。

地蔵のオベリスク

赤抜沢ノ頭から観音岳へ縦走する。

白い岩場と紅葉と緑のコントラストが美しい。

観音岳への下り

北岳の展望はこの時は今一つだったが、晴れていれば近くに感じることだろう。

薬師岳を過ぎて薬師岳小屋でしばし休憩し、再び少し登り返して中道を下山する。

なかなか長い下りだが、青木鉱泉の湯を楽しみにがんばろう。

今シーズン2016年は薬師岳小屋は改築のため8月21日で営業は終了する。

来年2017年の9月末に工事は終了予定だ。

新しい小屋も楽しみだ。

薬師岳小屋

夜叉神峠から縦走して、南御室小屋、鳳凰小屋に泊り青木鉱泉に下山するのも面白い。

こちらは標高差が少ないためツアーなどではこのルートをとっているところが多いようだ。

個人ではマイカーの場合車の回収が少し大変だ。

しかし、北アルプスの燕岳に劣らぬ花崗岩の白砂青松と雄大な白根三山の眺め、そして何よりも人が少ない、この静かな稜線歩きを楽しんでもらいたい。

薬師岳を振り返る

 

著者:掛川義孝

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