稜線からの富士山

二軒小屋から笊が岳を目指して〜晩秋の白根南嶺歩き〜


夏の間働いていた聖平小屋から大井川を挟んで対岸に見える山並みをいつか歩きたいと思っていました。

農鳥岳から南に大井川左岸に沿って走る稜線は白根南嶺と呼ばれています。

夏の間働いていたアルプスで最も南にある3千メートル峰の聖岳3013メートルの登山基地聖平小屋からは大井川を挟んで、この山稜にある生木割(なまきわり)2539mと這松尾(はいまつお)が見れます。

聖岳と赤石、悪沢

8月までは天気が良い時は、この稜線から朝日が昇ってきます。

お客様は食堂で朝ご飯を召し上がりながら、ご来光が楽しめます。

這松尾にはガレ場があり、小屋で働きながらいつか、あのガレ場を訪れてみたい、あそこに立って自分が働いていた小屋を見てみたいと思いました。

這松尾のガレ場を見上げる

そこで昨年2015年の10月の終わり頃、二軒小屋ロッジに泊り、伝付峠からテント泊で縦走してみました。

二軒小屋ロッジでは全部が出てくるまで2時間ほどかかるディナーを、ワインと共にゆっくりと楽しみました。

今回は時間がなくて笊が岳には行かずに椹島へ降りました。

危険な場所ということでは、道迷いの可能性が高いのは笊が岳へ向かう稜線上の椹島下降点から上倉沢を渡って対岸のトラバース道へ出るまでのところです。

涸れ沢を通ったりするので道が不明瞭な部分があります。

ここでは過去に実際行方不明になられた事例もあります。

そして、トラバース道に入ってからは所々梯子があるような高度感がある岩場が出てきます。

ここも気が抜けない所です。全体的には道は明瞭です。

テントは生木割の山頂付近にいい天場がありました。

水は、稜線では得られないので、私は伝付峠で汲んで持って行きました。

這松尾のガレ場は広く、しっかりしていてガレの上部は問題なく通ることが出来ました。

ここで念願の聖平小屋を見ることが出来ました。

谷間のようなところにポツンと小さな赤い屋根を見つけた時は感動しました。

この時は前夜に寒冷前線が通過したため、日中から夜は生木割の標高では氷雨でしたが朝になると聖を始め標高の高い峰々は霧氷をまとい、うっすらと雪化粧をしていました。
生木割付近で静岡から来た登山者2人に出会いました。

その人たちは山伏から縦走してきたと聞いてビックリしました。

マニアックな人がいるもんだねと話しましたが、向こうも僕たちをそう思ったかも知れません。

人が少ない、通信状態も悪いエリアですので、充分ゆとりのある計画と装備で歩かれてほしいと思います。

あなただけの静かな稜線歩きを楽しんで下さい。

著者:掛川義孝

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