雲湧く二王子岳の山頂

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(39)新潟【共同通信社提供】


二王子岳(にのうじだけ)(新潟・新発田(しばた)市、胎内(たいない)市=1420メートル)

◎重厚な越後の山  飯豊、黄金の平野遠望

奥深い飯豊(いいで)連峰の前衛峰で、新潟平野北部から直接そびえたつ山々の最高峰。

新潟市や新発田市を中心とする登山者には五頭山(ごずさん)などと並び人気がある。

山麓の稲田から望む二王子岳

登山口からの標高差は約1100メートルあり、重厚な越後(新潟)の山並みの一角を占める山らしく、どちらかといえば健脚向きだ。

新潟・二王子岳コース

古くから「二王子様」と呼ばれ、信仰の対象となっていたが、昭和初期からはスキー登山も行われるようになった。

登山シーズンは5月から11月。

地元の新発田市では、毎年5月の最終日曜日を山開きと定めて、安全祈願祭が行われる。

登山口の二王子神社へは、新発田市の南俣集落から、南俣沢に沿って舗装された林道を約3キロ。

堂々とした社殿と、キャンプ場、水洗トイレ、広い駐車場がある。

登山道途中にトイレはないので、出発前にここで済ませておこう。

水場は、2合目の少し上、3合目避難小屋付近と頂上手前、三王子下にある。

二王子神社から杉林の山腹を登り始める。

徐々に傾斜が増し、約1時間で尾根上の3合目に到着する。

ここには避難小屋と道を少し外れた場所に一王子の祠(ほこら)がある。

ブナ林となった尾根伝いの登山道は少し傾斜が落ちるが、まだ急な登りは続く。

三角点のある定高山(994メートル)を過ぎ、細かいアップダウンを何度か繰り返す。

6合目付近からは低木となり視界が開け、頂上部分が見えるようになる。

油コボシと呼ばれる少し急な岩場を過ぎるころから、植生はクマザサに変わり高山の雰囲気が出てくる。

三王子の祠を過ぎると、緩やかな尾根となり、初夏にはニッコウキスゲの群生が見られる。

頂上は間近。

その手前には20人を収容できる赤いカマボコ形のしっかりした避難小屋がある。

山頂は広く、東側は開けて展望が良く、どっしりした飯豊連峰の全容が見渡せる。

黄金に色づく新潟平野や日本海、佐渡など西側の眺望は登山途中に楽しもう。

雲湧く二王子岳の山頂

登山道から望む新潟平野と日本海

 

なお、国土地理院発行の地形図には胎内第一ダムから黒石山を経由する登山道が記されているが、手入れがされていないため、現在はほぼ廃道となっている。

(日本山岳ガイド協会 早川晃生)

 

【ガイドの目】

◎山開き直後は残雪に注意

豪雪地帯の越後の山々は初夏まで残雪があり、登山道が雪で寸断されていることが珍しくない。

山開き直後の二王子岳は、3合目付近から残雪が現れる。

道に迷ったと気づいたら、いったん正しいコースに戻り、地図とコンパスでコースを確認すること。

日頃から地図や地形を「読む」練習をしてほしい。

二王子神社までは、マイカーかJR新発田駅からタクシーが一般的。

新発田駅から川東コミュニティバスが南俣まで出ているが、生活路線のため平日のみだ。

新発田市近くに「あやめの湯」や五頭山麓に温泉がある。

▽参考タイム 二王子神社(1時間)一王子(1時間)定高山(2時間)二王子岳(2時間半)二王子神社

提供:共同通信社

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