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安全に山に登るためには?(1)~山行前のチェックシート~


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安全登山は“出発前”が大事

これから1年間に渡り、このコンパスマガジンに、「安全に山に登るためには?」というテーマで文章を書かせていただくことになった。

その1回目の今回は、私の仕事机の脇に掲げてある「山行前のチェックシート」を、恥ずかしながらご紹介したい。

伝えたいのは、安全に登山をするために大事なのは、山に入ってからだけではなく、実は山に入る前が同じくらい、いやそれ以上に大切なのだということだ。順番だけ少し並べ替えたが、以下がその全文である。中には首を傾げたくなる項目もあるかもしれない。「安易に依頼を受けない」などというのを私のお客さまが見たら、きっと苦笑されることだろう。
なにしろこれはあくまで自分用につくったものであるのだから。

1.安易に行き先を決めない(安易に依頼を受けない)

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2.行き先について徹底的に調べたか?

  • 複数のネット情報を得たか?
  • 複数のガイドブック情報を得たか?
  • (行ったことのある人に聞いたか?)
  • 標高差を調べたか?
  • 25,000の1地形図を用意し、ルートを確認したか?

3.天気を確認したか?

  • 冬型にならないか? → 弱い冬型も注意
  • 寒気は近づいていないか?
  • 「大気の状態が不安定」でないか?
  • 風向、風速、気温は調べたか?

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4.雪崩

  • 山行当日までに多量の降雪はないか?
  • 山行までに雨が降ったり、暑い日があったり、寒暖の差が激しくなかったか?

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5.装備

  • 装備表をチェックし、漏れはないか?
  • 軽量化をはかったか?
  • 水は500mlよぶんに持ったか?
  • 防水対策は大丈夫か?
  • 携帯、無線機、ヘッドランプ、カメラのバッテリーは大丈夫か?
  • 重要な忘れ物はないか?

6.山岳保険は掛けたか?

7.計画書は提出したか?

8.トレーニングを積み、体調を整えたか?

9.前日までのスケジュールがタイトでないか? 寝不足にならないか?

10.集合に遅刻しなかったか? 時間にゆとりを持って出発したか?

行く山をよく調べ、天候を十分に判断し、地図にルートや標高を書き込み、装備を吟味し、軽量化をはかり、トレーニングを積み……。

そんなふうにしっかりと準備してのぞんだ山行は、たいてい首尾よくいくものだ。

 

……ということをよくよく知っていながらも、ついおろそかにしてしまうことがある。

すべての登山者は安全に配慮して山にのぞんでいるはずである。

しかし私は職業ガイドだから、一般の登山者とは責任も入山日数もまるで違う。ふつうの登山者より少しでも高い次元で登山の安全性を高めたい。そんな思いからこの独自のチェックシートをつくった。

次回以降では、その個々の項目について説明したい。

 

著者:松原尚之

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