天気予報を見る習慣ができたら、予報通りに天気が変化するかを、いつも確かめよう。
気象庁がハイテク技術等を駆使した翌日の予報確率は80%以上(東京地方)なので、以前に比べると非常に精度が高い。
日本全体や大きな地域での気象予報は、これで十分である。
しかし、山では二つの観点から、これだけでは不十分だ。
一つは局地に関わる気象変化の時間のズレである。
風雨や寒気は、山や谷に滞留し、晴れるまで時間がかかることだ。
もう一つは、局地的にその地域や山だけに起こる気象現象で、上昇気流に伴う風、雷雲と落雷、雨雲に伴う集中豪雨や急な増水、温度差に伴う濃霧などがそれだ。
だからこそ、観天望気が大事な手掛かりになるのだ。
著者:日本山岳ガイド協会理事長 磯野剛太