専門に登山をする人であれば、天気が悪い時でも、その人の能力の範囲で行動することが多い。
私が担当していた登山教室も同様、やりが降らない限り中止はないとしていた。
雨、風、雪、等々の悪天候を経験することは、人間の対応能力と判断力を培う上で、とても大切だ。子どもの時から、
自然に親しみ、寒い、冷たい、暑いなど、肌で感じることが、危ない状況を感知するセンサーの役割を果たす。
親子で近くの低山に行く場合、少々天気が悪くとも、子どもたちに安全な範囲で経験を積ませることを勧めたい。
リュックサックから衣類を出し入れし、着たり脱いだり、感じる温度に対処することを、口酸っぱく伝えて習慣づけよう。
著者:日本山岳ガイド協会理事長 磯野剛太