冬の季節の山登りをどう楽しむか


ジャンル別アドバイス、ハイキング・雪山登山

登山の形態から見た冬の山登りの楽しみ方を簡潔にわかり易く説明。
失敗しない山の選び方をお伝えします。

とかく冬になると家に引きこもりがち。こんな時こそ山に入ってみましょう。
特に太平洋側の地方は、空気が澄んで清々しい、春、夏の山では味わえない体感を得ることができるでしょう。
山の形態ジャンル別にお伝えしましょう。

「ハイキング」

冬は、景色が抜群。なぜなら、樹林の葉が皆落ちて見通しが良くなります。
小鳥の観察にも冬は最適。普段見えないはずの鳥の姿が意外と身近に見ることが可能です。 ただし、照葉樹林帯の山々は、冬でも鬱蒼とした樹林を囲っています。
冬の山の楽しみは、落葉広葉樹林の山々を歩いてみましょう。いわゆる冬枯れの山です。
陽だまりハイキングともいわれています。

「アドバイス」

この時期、登山道が霜などで泥濘になっていることが多い。
北面の登山道では、凍っていることがしばしばあります。
軽アイゼンなどを持参するとよいでしょう。2月中旬までは、日が極端に短く感じます。
早目の行動を心がけましょう。低山といえども、防寒、防風には留意しましょう。
特に防寒には注意。
また、行動食なども温かいものを準備したり、身体を冷さない食べ物にします。(おにぎりなどは、身体を冷します)

「コース設定」

ハイキングコースは、なるべく短めに設定しましょう。
行動時間3~5時間くらいが最適。
午後2時を過ぎても下山に至らない場合、谷筋や日の当たらないところを歩くため、かなり冷え込んできます。
せっかく、陽だまりを楽しんだのですから、暖まった気持ちを残したまま帰りたいものです。

「雪山登山」

1泊2日程度の雪山登山を説明しましょう。
いわば、ちょっと雪山へといった感じです。
雪山は、装備も大がかりになるので、取り付きにくいのですが、手軽な雪山から始めてみると意外と楽しさが実感できます。手軽な雪山というとどんなところでしょうか。

 

雪の大菩薩峠。簡単な雪山装備で楽しむことが可能だ。

 

雪が恒常的に降り積もらない、2000m前後までの雪山と捉えましょう。
雪国の東北、上越、北陸、山陰、もちろん北海道は除きましょう。
こちらも太平洋側の地域の山々になります。
代表例は、東京都の最高峰雲取山(2011m)や北八ヶ岳の北横岳になります。
雪山の装備は、一通り必要です。
冬用の登山靴が欲しいところですが、防水性の優れた堅牢な三シーズン用の靴でも良いでしょう。
出来れば、アイゼンが装着できる靴底の硬いものが良いです。
アイゼンは、6本爪の軽アイゼンでも良しとします。

 

積雪直後の丹沢の登山道。こうした山は、軽アイゼンを持っていたほうが良い

 

ウエアは、暖かいインナーウエアと防風性に優れたアウタージャケット、ズボンが必要です。寒気対策には何といっても風対策が重要です。
アウタージャケットは、透湿防水性のある雨具で代用できることもあります。
最初からすべての雪山装備を準備することは経済的にも負担が大きいので手持ちの装備で登れる山からチャレンジしていくのも方法です。
北八ヶ岳の天狗岳、硫黄岳、奥秩父の金峰山、南アルプスの鳳凰山になると万全の装備が必要となります。

 

北八ヶ岳天狗岳(右が西天狗岳、左が東天狗岳)この時、気温マイナス24℃

 

2500mを越えると風も一段と強くなり、その分寒気も増してきます。登山靴も冬用の登山靴を用意しなければなりません。
決して我慢して登ると考えてはいけません。適正な装備を準備しましょう。
一方、雪深い地域の山も3月になると季節風の影響も弱まり、快適な雪山を楽しめるようになってきます。
時期、地域を選び楽しい雪山を登りましょう。

著者:武川俊二

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