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宿坊に参籠し、雪の霊山を楽しむ・七面山


広い本堂で己と向き合う静かな山旅

七面山は、山頂付近に大きなガレがあるのが、特徴で遠くからこの山を探すときにはこれを目印にします。

このガレは「ナナイタガレ」とも呼ばれ、これが七面山の名前の云われでもあります。今回は、表参道から登り、山頂の敬慎院に泊り、北参道から下山するコースをご紹介します。

表参道の入口「羽衣」に車を停めます。あるいは下山口の角瀬(すみせ)に車を置いて、タクシーを使って登山口まで移動するのもいいでしょう。

ここから、七面山敬慎院までは50丁の道のりです。登山の前に、赤い橋を渡って、対岸の白糸の滝とお萬の方の像を見に行きましょう。

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お萬の方さまは徳川家康の側室で、法華経の熱心な信者でありました。

白糸の滝で7日間身を清め、当時女人禁制であったこの山に初めて登り、女人禁制を解かれました。

登山口の標高はおおよそ500メートル、敬慎院の標高は1700メートルなので1200メートルをひたすら登ります。

表参道は寺の方やこの時期に訪れる熱心な信者さんの手で通常は除雪されていますが、凍っているので軽アイゼンは必要です。

参道に入るとすぐ、歌碑があります。旅と酒を愛した若山牧水の歌碑で、大正13年(1924)にこの地を訪れた時に詠んだ歌です。

「山襞のしげきこの山いづかたの襞で啼くらむ筒鳥聞こゆ」とあります。

神力坊、肝心坊、中適坊と過ぎると、北面の展望が開けるところがあります。

山並みの向こうに鋭く尖った北岳がひときわ目をひきます。はるか下の対岸には赤沢の集落が見えます。

江戸時代から身延詣でが盛んに行なわれ、参詣した人は途中、赤沢の宿場に泊り、久遠寺の奥の院七面山を登頂しました。

町並みは重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。晴雲坊を過ぎ、和光門に着きます。

両側に杉の大木が並ぶ参詣道を登ると鐘楼があり、七面山本社の敬慎院です。お寺の方が温かく迎えて下さいます。

熱いお風呂で汗を流して、お食事をいただいたら、夕の勤行が始まります。法華経の信者でない方もどなたでも参加できます。

翌朝は、天気が良ければ随身門の前から日の出を見ましょう。

富士山の眺めが素晴らしいところです。

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日の出を楽しんだら、七面山山頂に向かいます。

山頂まではほぼ夏道にそっています。ガレのふちまではカラマツの植林帯です。

雪が深ければスノーシューやワカンをはきたいところです。所々赤いテープが目印になっているので見逃さないようにします。

ガレの上に上がるところは傾斜が急になるので、無理に直登はしないでしっかりしたトレースがあれば、それに従って登ります。

降雪や雨の直後、また南から暖かい風が入る時は雪崩が起きやすくなりますので、雪崩を起こさない、万が一起きても巻き込まれないようなルート取りをしなければなりません。

ルートや雪の状態に不安を感じたら登らない選択も必要です。また、左側のガレにはあまり近づきすぎないように気をつけましょう。写真撮影のためにガレの方へ行くトレースもあります。

ガレの上に出ると、ほぼ平坦な道になります。

シラビソの森をガレに沿ってしばらく進むと窪地に入り、その上が開けている見えるのが三角点がある七面山の山頂です。山頂からの展望はありません。静かな森が広がっています。

敬慎院まで戻ったら、帰りは奥の院を経て北参道を通って帰ります。

日蓮聖人の六老の一人で七面山を開いた日朗聖人がここを訪れた時に七面大明神が現れたとする影嚮石(ようごうせき)があるのが奥の院です。

この石を七回回ると願い事が叶うといいます。雨畑への分岐の先からは時々左手に鋭い山頂を持つ笊ヶ岳が見えます。

長い下りですが、ここでも登山道の状態によってはスノーシューが大いに役に立つところです。

所々休憩所もあるので、角瀬までの下りを帰りの温泉を楽しみにしながら滑らないように気を付けて降りて下さい。

 

著者:掛川義孝

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