「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(5)沖縄【共同通信社提供】


◇於茂登岳(おもとだけ)(沖縄・石垣市=526メートル)

◎東シナ海望む沖縄最高峰  南の島独特の雰囲気味わう

石垣島にある沖縄県最高峰である。山の高さは他の都道府県の比でないが、亜熱帯の固有植物などが登山道に茂り、他県にない南の島独特の雰囲気が味わえる。

登山道まで公共の交通機関がないので、レンタカーかタクシー利用がベスト。

 沖縄県石垣市・於茂登岳コース図

沖縄県石垣市・於茂登岳コース図

市内から約15分で、標識のある登山道入り口に到着する。奥へ砂利道を進むと登山口になり、ここからが本格的な登山道。

地元の登山愛好者団体が好意でつえを残してくれているので利用するといい。

登山口から頂上までれんが、コンクリート片で足場が整備されているので、道の迷いはないだろう。

登り始めてすぐに「大御岳ぬ清水(うふうたきぬしみず)」の石碑があり、神聖な雰囲気が漂う。

登山道脇には亜熱帯特有のシダ類がみられ、南国特有の景観が異国情緒を感じさせてくれるはず。

歩を進めると「標高約250メートル、頂上まで40分」の標識が現れる。この付近まで急坂がなく楽に歩けるだろう。

次に出合うのは、滝への分岐。落差4~5メートルの滝へはすぐだが、足場が悪いので気を付けて往復してほしい。

登山道に戻り、ほどなくしてシイの巨木、イタジイが迎えてくれる。

次に「標高約345メートル、頂上まで25分」の標識が現れると、最後の給水ポイント。

ここから急登が始まる。スリップ注意の案内がある。

しばらく登ると、平たんになり、頂上とダム展望の分岐になる。県指定天然記念物のチョウ、アサヒナキマダラセセリの採集禁止の看板もある。

左に折れ、頂上に向かうと防災無線施設のアンテナのある山頂広場に到着。

ここは展望が得られないので、さらに進むと三角点があり、そこからは眼下に北西部が眺望できる。

かなたに東シナ海が望め、山頂に立つ満足感が得られる。いったん分岐まで引き返して東に進むとテレビ受信施設のある展望所にも行ける。

ここからは東側の眺望が得られるので時間が許せば訪ねるのも良い。

下山は往路を戻る。(日本山岳ガイド協会 栗林将剛)

 サトウキビ畑からの於茂登岳(石垣市役所提供)

サトウキビ畑からの於茂登岳(石垣市役所提供)

【ガイドの目】

◎マリンレジャーも楽しめる

登山道は整備され、水場もあり、ファミリーで登れるが、ハブが活動する夜間は登山はやめ、また、登山道を外さないことだ。雨の時は赤土が滑りやすいので、トレッキングシューズや雨具など最低限の装備は必要。

お勧めは、多雨の5、6月、高温多湿の7、8月を除いた時期です。

登山だけでなく石垣島近くには西表島、竹富島など観光地も多く、海水浴などマリンレジャーも楽しめる。夜は石垣牛、ソーキソバなど食にも事欠かない。俗世間を忘れさせる石垣島で南国情緒を満喫してもらいたい。

▽参考タイム

小広場(20分)滝分岐(15分)最後の水場(30分)山頂三角点(1時間)小広場

 

提供:共同通信社

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