天狗岳は、日帰りも可能な手軽な雪山入門コース。
それなりに難しい場所もあり、高山的な雪山楽しむには、優れた山です。
高山的雰囲気のある雪山としては、天狗岳は魅力的です。気象条件も比較的安定し、森林限界もわずかに越えて、凍てついた岩場の通過もあります。
迫力満点にもかかわらず、「難しい」箇所はそれほど大きくありません。
初めて雪山に行ってみようという人には最適です。

東天狗岳(左)と西天狗岳(右) 登山ルートは、左の稜線から東天狗岳に至る
「黒百合ヒュッテが拠点」
冬の八ヶ岳は、アプローチが手軽なため人気があります。天狗岳に登るには、黒百合ヒュッテを拠点に登ることをお薦めします。
黒百合ヒュッテへは、JR茅野駅から渋の湯行バスを利用します。ただしバスは、土日のみ運行。平日は、タクシーを利用します。タクシー代約7000円。
渋の湯から登山を開始します。
入口には、登山届出のボックスがありますが、ここは、コンパスシステムを利用し予め登録しておきましょう。
橋を渡っていきなり凍りついた登山道となることがあります。

渋の湯からの登山口にあるボックス 橋を渡っていよいよ登山道に入る
不安であればアイゼンを装着します。急な山道を少し登ると比較的緩やかな登りとなり、30分ほどで分岐に出ます。
雪道に慣れた人ならアイゼンを付けなくても歩けます。樹林の雪道を登り続けると八方台への分岐に出ます。
平らな場所なのでゆっくり休憩して水分補給もしましょう。さらに樹林の雪道を登る3と唐沢鉱泉分岐となり、40分ほど登ると黒百合ヒュッテに到着します。
ここまでは、ゆっくり登って2時間30分ほどです。黒百合ヒュッテは、山小屋の雰囲気を目一杯感じさる山小屋でスタッフも若々しく皆親切です。
ヒュッテに到着後、時間があれば、ニュウへ行ってみるのも良いが、樹林帯の中を進むため、ワカンやスノーシューがあったほうが良いでしょう。
それほど時間がない場合、ヒュッテ目の前の斜面で、雪山訓練をするのも良いでしょう。

黒百合ヒュッテへの登り 樹林の中を登って行く

登山道の要所には、このような道標が設置されている

黒百合ヒュッテ 山小屋の雰囲気満点でスタッフもいい人ばかり
「いよいよ天狗岳登山へ」
翌朝、朝食後に出発しましょう。夜明け前に出発してご来光という方法もありますが、朝は、非常に寒いです。
2月でもマイナス20度になることもあります。
ヒュッテの前でアイゼンを履き、ピッケルで出かけます。中山峠を経てすぐに森林限界に出ます。風が強くなりますので、防風態勢をしっかりとしてください。
風が出てきてからでは遅いです。樹林帯の中で態勢を整えましょう。
トレースが消えてしまったときは十分にルートを読めることが必要です。天狗岳の場合、休日であれば大勢の登山者がいますので、後から登ってもいいでしょう。
上部は、岩稜帯になります。とはいっても稜線を通るわけではなく、岩場を巻くように西天狗岳側を通ります。
岩稜を登ってしまうと相当難しくなってしまうので注意が必要です。
最後は、緩やかな尾根にでて頂上です。西天狗岳へは、一旦下り、雪壁を登ります。約20分程度で西天狗岳に立てます。
下山路は、同じルートを辿ります。西天狗岳、東天狗岳から2時間もかからず黒百合ヒュッテに着きます。
注意すべきところは、風です。強風の時は、迷わず登山を中止ししましょう。

1月28日の東天狗岳山頂

1月31日の東天狗岳山頂
こんなに様子が違う
著者:武川俊二