朝熊ケ岳山頂から伊勢湾入り口方向を望む。中央はるかに神島

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(6)三重【共同通信社提供】


朝熊ヶ岳(あさまがたけ)(三重・伊勢市=555メートル)

◎伊勢神宮参拝と信仰の山  伊勢湾、三河湾の眺望も

伊勢神宮の鬼門(丑寅(うしとら)=北東)の方角に当たるとして「伊勢神宮の鬼門を守る寺」金剛証寺(こんごうしょうじ)が山頂付近に建つ。

歴史と信仰の山で、朝熊山ともいう。伊勢神宮参拝や伊勢志摩観光を併せて楽しむのも可能だ。

 三重・朝熊ケ岳、朝熊岳道、宇治岳道

三重・朝熊ケ岳、朝熊岳道、宇治岳道

伊勢神宮とこの山がセットで参拝された時代があり、戦前から登山鉄道ケーブルカーや登山バスが走った。

現在は伊勢志摩スカイラインが山頂付近まで通じて四季を通じて観光客でにぎわう。

ここではいくつかある岳道(たけみち)といわれる登山と参拝の道から、登りやすい朝熊岳道を紹介しよう。

下りは、伊勢神宮へ向かう宇治岳道が一興だ。

近鉄鳥羽線の朝熊(あさま)駅で下車。朝熊の集落の中を15分ほど行くと、朝熊山登山道の道標がある。

駐車場やトイレがあり、登山準備に都合がいい。

ここから朝熊峠の二十二町の「町石」まで1町ごとに案内代わりの石と地蔵を数えながらの登山となる。

杉やヒノキなどの人工林と照葉樹の整備された登山道を行くと、ケーブルカー軌道跡を越える鉄の橋を渡る。

このあたりから、木々の間から二見や五十鈴川河口、伊勢湾がのぞく。さらに登ると朝熊峠。

右から舗装された宇治岳道と合流する。かつての旅館跡の石垣が残る。

ここから舗装道でも、その脇の登山道のどちらを取っても朝熊ケ岳山頂に至る。

大きなアンテナを備えた建物が見えてくると、すぐに八大竜王社(はちだいりゅうおうしゃ)のある広い山頂に出る。

天気がいいと鳥羽市から答志島、神島、さらに渥美半島や三河湾の眺望を楽しむことができる。

八大竜王社脇から少し下ると舗装路に出て、金剛証寺や経塚(きょうづか)群の道標に従って進む。

道の途中を少し上がると経塚群。さらに進むと、金剛証寺に至る。臨済宗南禅寺派の寺で、斜面を生かした伽藍(がらん)や太鼓橋などは趣がある。また少し登ると奥の院があり、そこも見ておきたい。

下りの宇治岳道は、朝熊峠から西に向かう。

かつて登山バスが走っていた道だ。ただ、緩いものの長く、安全だが飽きるかもしれない。登山道は神宮司庁の近くに出て、しばらく行くと「おかげ横丁」の方へ導かれる。(関西山岳ガイド協会 保田辰弥

 朝熊ケ岳山頂付近にある経塚群

朝熊ケ岳山頂付近にある経塚群

【ガイドの目】

◎山頂に歴史の寺

山頂付近に点在する経塚群や金剛証寺、その奥の院は一見の価値がある。また伊勢神宮と併せれば、通常の山登りとは趣が異なるだろう。

下山の宇治岳道は、伊勢志摩スカイラインとほぼ並行している。

舗装は途中から途切れ整備された登山道が続く。

途中、スカイライン上の橋を渡るあたりから展望もよく、ウバメガシなどの自然林で神宮林の一端も見ることができる。おかげ横丁は観光客でにぎわう。

▽参考タイム 登山口(1時間半)朝熊峠(15分)山頂(15分)金剛証寺、山頂(2時間)神宮司庁

 

提供:共同通信社

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