前回は初心者の方向けに「事前準備の大切さ」と「事前準備とはなにか」についてお話をしました。
「事前準備のアドバンス」の時に役立つ登山の準備ツールの手立ても簡単にご紹介しました。
今回は山のシュチュエーションに応じたタイムリーに役立つ「スマホアプリ」にはどんなものがあるのかを掘り下げてご紹介したいと思います。
平成26年度版総務省の情報通信白書に日本の情報通信機器の個人保有情況は全世代の86.9%を超えてきており、うちスマートフォンの保有も5割を超えてきているという報告もあります。
登山専用のナビゲーション機器もありますが事前準備の手段としてこういう世情の中でクライミングや一般登山やハイキングに役立つスマートフォンアプリの存在を知っておくというのも大切だと思います。
登山やアウトドアに関係するスマホアプリは最近格段に進歩してきておりGPSによる位置情報と地形図に記録確認するものが代表的なアプリですがその数は100を超えていて選択に苦労するほどです。
大きく分類すると・・・・・
1. AndroidアプリとiPhone/iPadアプリ別のもの、または両方使用可能ものとあります。
2. 無料アプリと有料アプリがあります。
3. オンライン・オフラインで対応するものがあります。
注意点は・・・・・
万が一の時に遭難救助要請をするひとつの手段としての役割がスマホにはあることを忘れてはいけないので「電源」という点を十分考慮した上で予備電源・補充電源対策をしておかなければなりません。
また「防塵・防滴・防水・防寒対策」「補充電源コードの破線・切断対策」も必要です。
では登山のシチュエーション別に初心者の方向けにどんなものがあるかをそのアプリ機能をご紹介しますと・・・・・
1. 警察や自治体と連携した登山計画書の作成と登山届を提出でき下山通知も提出できる。
2. 地形図を事前にダウンロードできて、地形図を印刷し携行用の登山地図として使用できる。
3. 事前に予定ルート(トラックログ)を登録しておきタイムリーにGPS機能で現在地をチェックできる。
4. 登録した地図上で気象情報の表示ができる。
5. 緊急連絡者へ現在地と定型メッセージを通知できる。
6. 高度計として現在地の場所・標高がわかる。
7. 座標表示をして座標ランクを送信できる。
8. AR技術で山にスマホをかざすだけで山の名前を確認できる。
9. コンパス機能で正確な方位を確認できる方位磁石アプリ
10. 水場の位置・登山道の状況など詳しい説明付のもの
11. 撮った写真を直接SNSへ投稿が可能なもの
12. 天気予報・気象レーダー・地震・気圧計アプリ
13. 日の出・日の入り時刻や方角を地図で検索できる
14. バーチャル登頂記録張を作成して共有できるもの
15. 登山日記として登山記録を残せるもの
16. 富士山ライブカメラをはじめ、富士山や高尾山に代表される山域別の動植物の解説やみどころをダウンロードできるご当地アプリ。
個別のアプリ名は控えさせていただきましたが機能として代表的なものをアップしました。ただ数多くのアプリの中でも1番の項目は日本山岳ガイド協会「山と自然ネットワークコンパス」が唯一持つ機能という点は重要です。
ぜひ事前準備と安全対策に活用していただきたいと思います。
しかしながらスマホアプリやGPS専用機器は便利で何倍にも時間や労力の節約ができて登山を何倍にも楽しいものにしてくれますが、反面頼りすぎて「GPS遭難」も多発していますのでいずれのツールも基本的な登山に関する知識と技術や経験値、つまり読図技術や気象判断力、セルフレスキューなど自立した登山者としての力があってこそ生きる補助的ツールであることは肝に銘じて活用していただきたいと思います。
著者:土居剛