二股山

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(9)栃木【共同通信社提供】


◇二股山(ふたまたやま)(栃木・鹿沼市(かぬまし)=570メートル)

◎日光連山望む双耳峰  スリリングな岩場は避けて

栃木県鹿沼市の西にあるどっしりとした双耳峰で、日光連山や古賀志山(こがしやま)の展望が素晴らしい。登山口は3カ所あり、どこからでも山頂まで1時間半以内で登れる。今回は下久我(しもくが)・岩の下から登り、下沢(しもざわ)・大関に下る横断コースを紹介する。

栃木・二股山コース図

栃木・二股山コース図

岩の下バス停で下車、少し戻ると北側に点在する農家と杉林の間の道に黄色い標識(林道岩渕線)がある。これが登山口だ。右側に杉林を見ながら進むと二股山への小さな道標がある。直進すると10台ほど駐車可能な広場となり、ここが林道の終点。

登山道は杉林の中を流れる細い沢沿いに続く。雪による倒木が多く、しばらくくぐったりまたいだりする。やがて枯れ沢になり岩石の交じる道となる。左手に岩渕の滝と称される小さくて端正な滝がある。杉木立の中の道はジグザグ登りとなる。平たんな尾根筋に出ると、その先は直登に変わりNHK送信所に出る。

北峰の山頂は送信所のすぐ先で、東側に古賀志山などや鹿沼市街が広がる。石の祠(ほこら)が置かれ南側は十数メートルの断崖となっている。固定ロープが設置され、岩登りの心得がある人なら冒険的体験を楽しめるが、一般的にはお勧めできない。頂上から少し戻り、北峰・南峰の道標から左手へ、迂回(うかい)路へ下るのが無難だ。岩場の下を回り込むとすぐに両峰の鞍部(あんぶ)に出る。

三角点のある南峰へは東斜面を立木と固定ロープを補助に登る。急勾配なので慎重に。頂上は大きく開けた北西方面に、男体山をはじめ日光の山々がびょうぶのように連なる。周辺には珍しいヒカゲツツジの群生があり、4月中旬は素晴らしい花模様を見せてくれる。

南峰から下るとすぐに展望台で、開けた尾根筋の一角に出る。群馬県境の山々が幾重にも重なってかなたに浮かぶ。下沢、加園(かぞの)方面の道標から急勾配の杉木立と雑木林の中をジグザグに下る。加園との分岐を左へ取り、ベンチをやり過ごし下ると道は細い流れに沿うようになる。麓に出たら下沢集落を真っすぐに進み、街道に出て大関橋を渡ると、下沢大関橋バス停は目と鼻の先だ。ただ本数が少ないので事前に確認を。(日本山岳ガイド協会 大蔵喜福)

二股山北峰と石の祠

二股山北峰と石の祠

 

【ガイドの目】

◎ストックで安全に

短時間で登れるが、急傾斜がある。ストックを持参し、安全に気を配ってほしい。冬季は枯れ葉と霜柱に注意。滑ります。下沢登山口には無料貸し出しのつえが用意されている。使用後は返却を忘れずに。

地元有志により下沢、下久我、加園を起点とする回遊コースが開拓され、登山口、頂上などの道標に略図が表記。新しい道標とともに迷わないための安全対策が行き届いている。

ルートには水場がない。トイレもない。

▽参考タイム 岩の下(20分)林道終点(1時間)北峰(15分)南峰(5分)展望台(10分)加園分岐(45分)下沢登山口(20分)下沢大関橋

 

提供:共同通信社

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