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幕営風話(3)~不便さの中の安全性~


巷では「便利だから」という言葉が、身の回りで手にするモノやさまざまな生活シーンの中に蔓延している。

IT(イットと発音しないでね)や機械の発達によって進歩したその恩恵は、まるで当たり前のように私たちの日常に浸透しているため、便利になったことが麻痺し始めたように感じる今日この頃である。

技術や環境は常に進化を繰り返している。

本来、私たちは身の回りのツール(道具)を使うために、知識を身に着け、技術を磨いてきた。

言い換えれば道具を的確に使いこなすためにスキルアップを図り、そこに道具の機能性が融合することで十二分な成果が発揮され、結果が成り立ってきたはずだ。

しかし、ここ最近話題に上がる自動運転車や人口知能などの技術革新になると、便利という表現を遥かに越え、人間そのものがそこに介在しない機械だけのスペックで効果が計られようとしている。

なんとなく、身を引いてしまうような現実が目の前に迫っていたりしている。

前置きが長くなってしまったが、この便利という風潮は山の世界でも言えるようになってきた。

ひと昔前に比べ、ウェアや登山道具は格段の進歩を遂げてきた。防水性、防寒性、透湿性、機能性、軽量化、コンパクト化、デザイン性、情報リテラシーなどのさまざまな要素が向上し、そのような諸々の進化に合わせるように、多様化した登山を身近に楽しむという便利さが拡大している。

荷物が軽くなった。

耐雨性が向上した。

登山道の情報が簡単に入手できる。

・・・等々、確かに登山を始める敷居は便利さのおかげで格段に低くなった。

とてもよいことだと思う、これは。

しかし、何か気になることもあったりする。

すべての登山者とは言わないが、便利なことを自分の登山スタイルに誤って取り入れ、当たり前と思い込んでいる人がちらほら見られることだ。

これは装備に限らず、行動に限らず、情報の扱いに限らず、知らず知らずのうちに便利なことに頼りすぎて、本来、自分が考えるべきことや、行うべきことを便利という一言で無意識に端折ってしまっている人たちだ。

便利さに頼りすぎると、もっと、もっと、とエスカレートしてしまうことになる。

例えば、あなたは自分が作った登山計画を頭の中で描いて説明できますか、と聞いてみると・・・。

意外とできない人が・・・いたりする。

登山届を出すことが目的になってしまい、計画が頭の中に入ってないケースだ。

便利な登山届システムで登山ルートをトレースし、表示されたコースタイムをチラ見するだけで登山届を提出するという、便利さを最大限に享受してしまっている人たちである。

なんだ、コンパス登山届もそんな道具のひとつじゃないかと思う人もいるだろう。

確かにそんな一面もあるかもしれない。

しかし、コンパス登山届は計画を立てる機能を必要最小限に留め、計画を立ててもらうことを前提としている。

そのため便利な機能を求める人にとってはちょっと不便と感じることもあるようだ。

但し、家族や友人、そしてもしものときに警察や自治体とも情報を共有し、安全に安心して登山を楽しんでもらうというコンセプトでシステムを設計し、サービスを提供している。

道具のひとつとして使ってもらっても、登山計画は自分の頭で作って安全管理を行うというのがコンパス流の考えだ。

日々の生活でさまざまな便利なものに頼り過ぎてしまうと、リアルとバーチャルの境界や自分の実力や可能性はどのあたりなのか混沌としてしまうときがある。

反対に山や自然に直に触れ、何を行うにも自分が介在しなければならない不便さを満喫することで、自分の身の丈を感じて納得しているのは私だけだろうか。

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