初~中級者、みんなで楽しめるポピュラーな沢
駐車場のある葛葉の泉から遡行開始、ゴルジュ、小滝、シャワークライミングの板立の滝、難しいコースが取れる富士型の滝と辿ります。
ほぼ全ての滝に巻道が踏まれているので安心です。藪コギなしに頂上に到着出来ます。
二の塔尾根を下山路にすれば葛葉の泉に戻ることが出来ます。
【アプローチ】
バスの場合は秦野駅から渋沢駅行のバス菩提原で下車します。
菩提原は秦野駅と渋沢駅の中間ぐらいに位置するので、マイカー分乗の場合は送迎用駐車場のある渋沢駅で待ち合わせると良いでしょう。
菩提原からは葛葉川左岸の舗装路を1.5Kmほど行き、左折、道なりに進むとゲートがあって行き止まりになります。
ゲートの30m手前が葛葉の泉です。
20台ほど車が置ける駐車場が付属しています。
葛葉の泉公園で身支度して、公園から右岸の踏み跡をたどり堰堤を超えた所から入渓します。
【遡行】
入渓点付近は、両岸がせまり川幅は3mほどしかありません。
両岸の岩壁の上に灌木が密生していて、川床の玄武岩の黒さも加わるので、暗いトンネルの中にいるように感じます。
そのトンネル状態の中に高さ2~5mの小滝が10個ほど連続します。
小滝はどれも手がかりが豊富、ロープを出すこともなくどんどん進んで行けます。
40分も行くと、川幅が6mほどに広くなって、明るくなってきます。
ホッとするのもつかの間、すぐに横向の滝8mが現れます。高さはありますが真ん中から右は階段のようになっています。
横向の滝から10分ほど行くと葛葉川のシンボルとも言える板立の滝垂直8mに着きます。
沢登りのロープワークがしっかり出来る人に左岸の踏み跡から超えて滝の上に登ってもらい、滝の下にロープを下してもらいましょう。
そのロープで上から引き上げて(ビレーして)もらいながら水流の超近くを直接登る、つまりシャワークライミングを楽しみましょう。
ブルブルと震えるほどの面白さです。
でも、沢登りのロープワークがしっかり出来る人が少ないのが現状です。
自信がない場合は無理をしないで、みんなで左岸の踏み跡を登りましょう。
そうそう、地図用語では沢の左岸は上流から見て水流の左側のことです。
滝の右を登ると書かれた場合は下から見た表記で、地図用語書けば滝の左岸を登るということになります。
小滝3つ目の頭上に表丹沢林道が横切ります。右岸から林道に上がることが出来ます。
林道から先は水量少なく簡単な小滝群が続きます。
30分ほど行くと、中央付近の水流で濡れている部分が富士山の形をした滝が現れます。
時間があれば富士型の滝で滝登りを思い切り楽しみましょう。
まず、前記のロープワークのしっかり出来る人にロープを上から下してもらいましょう
■その方法———-
①滝の右の溝地にある踏み跡を登り滝の上に出る
②滝の上の水流右の大木と同左の大木をロープで結び、その中間あたりで下から滝を登ってくるコースの真上に結び目を作る(その結び目が下の人を引き揚げるための支点となる)
③2コースならば結び目は2か所作る)。
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準備が出来たら、滝の下で待っている人達の出番です。
上からのロープで引き上げて(ビレーして)もらいながら登ります。
水流の右にあるハーケンが2本打ってあるやさしい乾いた岩コースと水流のすぐ左の水しぶきが少しかかる程度の所にある手がかりが少ないコースのどちらかに挑戦しましょう。
富士型の滝から30分ほど、いよいよ水流が減ってきます。
完全に涸沢状となった所で終了点を示す赤テープやケルンなどが見つけられます。
左岸のしっかりした踏み跡のある尾根を登ります。
時々棘のある山椒の木があるので気をつけて下さい。
息が切れるほどの急な登りを30分で三の塔尾根上の登山道に出ます。
【下山ルート】
三の塔尾根を登ること30分で三の塔に着きます。
かなり眺望の良い頂上ですが、沢登りの場合は午後到着、晴れていても視程は短いことが多いです。
表尾根をヤビツ峠方面に下り、再び二の塔に登り返して右折、二の塔尾根を下ります。
二の塔から90分で葛葉の泉に戻ります。
時間が足りない場合は富士型の滝から同沢を表丹沢林道まで引き返し、林道に上がって二の塔尾根を下ります。
著者:松浦寿治