雁田山の全景

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(17)長野【共同通信社提供】


雁田山(かりだやま)(長野・小布施町、高山村=759メートル)

◎春霞の北ア望む歴史の山  くりの銘菓に一茶の句碑

アルプスや八ケ岳などに囲まれた山国・長野で、歴史に彩られたこの山は、標高は低くとも、眺望に恵まれ、葛飾北斎とくりの和菓子で名高い小布施町の散策もできるなど、見どころ、お楽しみ満載の山である。

雁田山の全景

登山口は二つだが、今回は南側のすべり山登山口から北の岩松院(がんしょういん)に下山するコースを紹介する。

表示に従い、松林の中を登り始める。

途中「一の岩」「二の岩」の大岩を過ぎ、1時間ほど登ると、標高759・3メートルの1等三角点のある広場に出る。

旧国鉄の通信施設として使われていた反射板跡だ。

地元は四つの峰を総称して雁田山と呼ぶが、狭義のピークとしては1等三角点の箇所を指すようだ。

登り下りの連続の途中には、物見岩などもあり、休憩も兼ねて展望を楽しみたい。

岩の間の登山道を登りきると広い平らで、あずまやのある展望園地に出る。

今の時期なら春霞(はるがすみ)の妙高、戸隠など信越県境地帯の北信五岳や北アルプス、善光寺平が一望できるだろう。

展望園地から雪の北アルプス(中央奥)、北信五岳の飯縄山(右)と善光寺平の眺望

ここを過ぎ、稜線(りょうせん)を下ると、鎖のかかる「姥石(うばいし)」が現れるが、登山道は広く足場もしっかりあるので、鎖を利用するまでもなく歩くことができる。

アップダウンを繰り返し最後の広場に出ると、登山道中の最高点、783メートルの千僧坊(せんぞうぼう)になる。

千僧坊からは、岩松院に向かう尾根筋を下る。

かなり急斜面だが、階段やロープなどもあるので、しっかり足場をつくって歩きたい。

やせ尾根周辺はツツジ台とも呼ばれ、5月の連休ごろはツツジの花の登山道となる。

ひたすら下っていくとあずまやのある「大城」に出る。

さらに下ると、石垣が見事に積まれた「小城」。

苅田城と呼ばれた城跡で、展望が良く物見としての役割が想像できる。

武田信玄と上杉謙信が戦った川中島の古戦場も視界の中だ。

この周辺が戦国時代まで、北信濃の重要な攻防線であったことがうかがえる。

「小城」の石垣からは、もう岩松院の屋根も見え、観光客のにぎわいも伝わる。

石垣が残る「小城」。はるかに北信五岳を望む

葛飾北斎の天井画や、福島正則廟(びょう)、小林一茶の「痩せかえる 負けるな一茶…」の句碑も見学したい。

(日本山岳ガイド協会 畠山浩一

 

【ガイドの目】

◎大岩には要注意

雁田山は地元小学生の登山に使われており、ファミリーも楽しめる。

登山口までは小布施町内を回る周遊バス「おぶせロマン号」が便利。

登山道は良く整備されて、途中には道標があり、またロープも張ってあり、安心して歩くことができるだろう。

ルート上では携帯電話も通話可能だ。

ただ、天候の急変や雷には注意したい。

また、大岩からの展望は素晴らしく写真撮影などに最適だが、その下は絶壁になっている箇所も多く、十分に注意が必要だ。

下山後20分ほど整備された道を歩くと登山口に戻る。

日帰り温泉施設が2軒あり、ここで汗を流し、小布施町の散策に繰り出すのも楽しい。

 

▽参考タイム

登山口(30分)二の岩(30分)雁田山山頂(1時間10分)千僧坊(1時間10分)岩松院

 

提供:共同通信社

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