西丹沢・マスキ嵐沢(ますきあらしさわ)〜沢登り紀行(3)〜


初心者と共に行くのに最適な沢。デートにも。

 

【アプローチ】

新松田駅から西丹沢行のバスに乗車し大滝橋で下車します。

マイカーの場合は大滝キャンプ場の有料駐車場が利用出来ます。

大滝橋から畦ケ丸に向かう登山道と行くこと40分でマスキ嵐沢を横切ります。

やや開けた場所でマスキ嵐沢の道標があるのでわかりやすいです。道標の傍で身支度を整え入渓します。

【遡行】

入渓点から沢は明るく気持ちが開放的になります。

10分程度で4mの滝になります。左に階段状にホールドがみつかり簡単に越えられます。

傾斜の緩い小滝を8つ越えて行きます。途中の川床は白く、キラキラ光る水が滑るように流れていて美しいです。

「ワーきれい」と歓声が上がっても不思議ではありません。
入渓から1時間で2段の滝に到着します。

マスキ最初の小滝

マスキ傾斜の緩い小滝

下の段を手を使わないで登り、上の段は右の藪っぽいルートから登るのが一般的です。

簡単ですが上部に行くほど傾斜が強くなって来ます。

一応ロープを出して登って下さい。

一応ロープと言われるぐらいで、右からだと簡単すぎます。

ロープワークのしっかり出来る人がいるならば、その人に頼んで上からロープを降ろしてもらい、水流の近くの水しぶきを浴びるラインで登ると楽しいです。

マスキシャワークライミング

さらに小滝やナメを小1時間行くと水は涸れてしまいます。

マスキナメ滝

左から来る沢と右からのそれ合流点つまり涸沢の二俣に到着します。

左沢の方がなんとなく広くてこちらに行きたくなりますが、足元をよく見ると右沢の方が人の足跡が多くケルンが積んであったりします。

右沢に進んで下さい。

右沢を30分ほど行くと5mの滝10mの滝が連続しています。

5mの滝は左の階段状を登ります。

水が枯れているということは浮き石が多いということなので、確かめてからホールドを引くことを徹底して下さい。

というか山で岩をつかんで登る場合はどこでも必ず確かめてからホールドを引かないといけません。

三点確保にこだわる方がいますが、確かめて岩を持たないのならば危なすぎます。

続く10mの滝はオーバーハングしています。滝の中央の割れ目からその割れ目に挟まった大石を大きな手がかりを使ってエイと超えます。

ロープを出して登って下さい。

要所となる3箇所にハーケンが打たれています。

難しさはクライミングジムのボルダー課題の6級くらいでしょうか。

でもジムと違って浮き石がありますし、ハーケンは抜けるかも知れません。

マスキ最後の滝

先頭に登る人は出来るだけ落ちないように登って下さい。

滝の右には巻道があってトラロープが下がっています。

信頼出来るリーダーがいない場合は巻道を使って滝の上に出て下さい。

巻道も浮き石が多いので間隔を空けて一人ずつ通過するようにして下さい。

10mの滝からは石がゴロゴロした涸沢を20分、砂地の急斜面を10分で登山道に出ます。

マスキ嵐沢の終了点です。

【下山ルート】

到着した終了点は権現山登山道上の1050mピークと権現山山頂1138との鞍部です。

沢から上がってこの登山道を左に行けば西丹沢のバス停に下れます。

この登山道は多く歩かれている道ですが廃道になっています。

もし崩れていてもそれが掲示されているなんてことはありませんので慎重に歩いて下さい。

40分で西丹沢バス停に下れる畦ケ丸西沢登山道に出ます。

マイカーの方は西丹沢からバスに乗って大滝橋下車で車を回収します。

バリエーションハイキングに長じたメンバー構成であれば、地図を読んでマスキ嵐沢と鬼石沢の中間尾根を一軒避難小屋まで下りそこから畦ケ丸大滝沢登山道を使って大滝橋バス停まで下ることが出来ます。

著者:松浦寿治

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