藺牟田池の水辺に立つラクウショウ(ヌマスギ)の鮮やかな若葉

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(19)鹿児島【共同通信社提供】


◇藺牟田池外輪山(いむたいけがいりんざん)(鹿児島・薩摩川内市、さつま町、最高峰片城山(かたしろやま)=509メートル)

◎若葉鮮やか水辺の木々  家族から本格派訓練まで

山の価値は標高ではない。

鹿児島市の中心部から北北西に車で1時間程にあるこの山は、直径約1キロの藺牟田池を取り囲んで、飯盛山(いいもりやま)(432メートル)、舟見岳(ふなみだけ)(499メートル)、山王岳(さんのうだけ)片城山など六つのピークが連なる。

藺牟田池外輪山

藺牟田池は低層湿原として国指定の天然記念物で、ラムサール条約に登録もされた、絶滅危惧種ベッコウトンボの生息する火口湖である。

湖面の標高は約300メートル。最高峰の片城山は500メートル強なので、標高差はわずか200メートル程しかない。

それでも地元の登山者から愛される一番の魅力は、この明るい池を眺めながら、四季を通じて安心して自由に登れることである。

右回りでも左回りでも、飯盛山だけでも一向に構わない。体調が悪くなっても、池を一周する道に下りれば登山口に戻ることができる。

一方忠実にルートをたどれば、六つのピークを登り下りするため4時間から5時間の充実した登山となる。

ファミリーの楽しみから日本アルプスへの訓練まで、様々なニーズに応えてくれる。

舟見岳と山王岳の間には竜石(たついし)という岩場があり、クライミングの対象になっている。

また周辺には、若者に人気のボルダリングのエリアもある。

新緑の季節の一番の魅力は、池から伸びるラクウショウ(別名ヌマスギ)の鮮やかな若葉である。

飯盛山北西の岸辺などで見られる。

藺牟田池の水辺に立つラクウショウ(ヌマスギ)の鮮やかな若葉

一般的な登山は、池の南東の駐車場から、南の愛宕山(あたごやま)(約480メートル)に登り、右回りに縦走して最後の飯盛山のらせん状登山道をピストンして戻るか、霧島連山や桜島を望む飯盛山から逆に縦走するかのいずれかである。

道標が整備されているので、安心して歩けるが、池に通じる車道がいくつかあり、誤って外輪山の外側に進まないよう注意すること。

鹿児島は温泉が多く、登山後は温泉で汗を流して帰ることが常識となっている(ダニ退治の意味もある)。

その中でも藺牟田池外輪山周辺は特に多く、山麓に藺牟田温泉や入来(いりき)温泉、10キロも行けば市比野(いちひの)温泉とさまざまな温泉があり、疲れを取ってくれる。

竜石から藺牟田池を眺める

(日本山岳ガイド協会 内山憲一

 

【ガイドの目】

◎ダニ対策、長袖着用を

低山全般に当てはまるが、ハチやヘビと遭遇したら冷静に対応し、速やかにその場を離れること。

動物のテリトリーを、部外者が通らせてもらっているという意識で、謙虚に自然と接しよう。

また小さいが一番注意が必要なのがダニだ。

暑い時期も長袖シャツや長ズボン、手袋で肌を露出させない。

半袖の場合アームカバーを併用する。

トイレは駐車場にあるので出発前に済ませ、スポーツドリンク等水分を十分用意して出発する。

右回りでは舟見岳、山王岳、片城山の下り坂が急なので注意が必要だ。

▽参考タイム 駐車場(1時間10分)舟見岳(50分)竜石(1時間10分)片城山(1時間10分)飯盛山(20分)駐車場

提供:共同通信社

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