残雪の北アルプスを背景に、特徴的な山容の尖山(中央)

「ふるさとの山々 高きが故に貴からず」(20)富山【共同通信社提供】


◇尖山(とがりやま)(富山・立山町=559メートル)

◎立山・剣の大展望台  四季楽しい「とんがり山」

富山平野から立山方面に向かい、最初に現れる特徴的な形状の山だ。

富山・尖山

江戸時代の立山信仰の拠点で、優秀な立山案内人のふるさと、芦峅寺(あしくらじ)の手前にそびえ、剣岳・立山の絶好の展望台である。

山頂に三角点が置かれた当時は「布ケ岳(ぬのがたけ)」と命名されていた。

その後「布倉岳(ぬのくらだけ)」を経て、現在の山名になった。

四季を通じて気軽に登ることができ、昔から親しみをこめて「とんがりやま」と呼ばれている。

残雪の北アルプスを背景に、特徴的な山容の尖山(中央)

どこから見ても同じ三角形で、頂上はスパッと切ったように平らになっていて、円すい形の形状からピラミッド跡であるとか、UFOの基地であるとか、夢いっぱいの説もある。

山頂では山岳信仰に伴う祭儀跡も発見されて、それ故、最近ではパワースポットとしても取り上げられている。

富山地方鉄道立山線の横江駅から横江集落に向かう。

立山町のゆるキャラ「らいじぃ」の案内板が、無人駅である横江駅と横江集落の入り口にあり、マイカーならここが駐車場となるだろう。

集落を抜け、林道を進むと「とんがりやま2キロ」の分岐点の標識に出合う。

分岐から尖山に向かって歩き始めると、円すい形の山がますます近くに見えてくる。

林道の終点にある小さな「登山帳小屋」が実質的な登山道の始まりの目印だ。

杉林の中を沢に沿って緩やかに登る。

杉林の中の尖山登山道

小さな滑滝を過ぎて沢を渡ると、やがて杉林が少し開けて明るくなる。

道は左に折れて、いよいよ尖山本体の登りが始まる。

登山道は西斜面を巻くように登り、それにつれて眼下に常願寺川が広がる。

最後は北面から階段を上りつめて山頂へ。

尖山は、水平の台地で、山頂からの展望は360度見渡す限り。

大日岳(2501メートル)が良く見え、北へ剣岳(2999メートル)、毛勝(けかち)三山と続き、南は立山(最高点3015メートル)から竜王岳(2872メートル)へ。

手前には弥陀ケ原と鍬崎山(くわさきやま)(2090メートル)。

尖山から北アルプスの眺望。中央が大日岳、その左奥が剣岳、右に立山と弥陀ケ原

振り返れば常願寺川扇状地もよく見え、空気が澄んだ日には富山湾や能登半島を望む。

春、立山連峰に雪が残る頃や、秋、初雪の頃には頂上にある展望図と照らし合わせると、さらに立山の峰々の展望を楽しめるだろう。

(立山ガイド協会 佐伯岩雄)

 

【ガイドの目】

◎夏場は早朝登山を

年間を通して登ることができる。だが、積雪期は単独、初心者だけの登山は避けること。下りでルートを外すと取り返しがつかない場合もある。標高が低いため、夏場は早朝に登るのがお勧め。

夏椿峠のルートもあるがこちらは急登になるため、子ども連れや初心者は通常のルートをお勧めする。

ルート上には小屋やトイレはない。手前のドライブイン「あるぺん村」などで済ませてから入山することをお勧めする。

▽参考タイム

横江駅(40分)登山口(1時間)山頂(1時間30分)横江駅

 

提供:共同通信社

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